top of page

【頭痛薬を飲むほど頭痛が増える「薬物乱用頭痛」とは】慢性頭痛が改善しない人が見落としている落とし穴

執筆者の写真: SAKAI KOHKI
SAKAI KOHKI
10月2日
読了時間: 5分

「頭痛がひどい日が増えた気がする」

「薬を飲まないと一日が乗り越えられない」

「以前は月に数回だったのに、最近はほぼ毎日痛い」


こういった経験をしている方に、ひとつ確認していただきたいことがあります。


市販の頭痛薬や鎮痛薬を、月に何日飲んでいますか。

もし月10日以上飲んでいるなら、その頭痛の原因は頭痛薬そのものかもしれません。


頭痛薬の錠剤とカプセルに赤い×と稲妻、右に「頭痛薬を飲むほど頭痛が増える理由」「薬物乱用頭痛(MOH)」とある青背景の説明画像

「薬物乱用頭痛(MOH)」という疾患がある


薬物乱用頭痛(Medication Overuse Headache:MOH)とは、

片頭痛や緊張型頭痛を持つ人が急性期の頭痛治療薬を過剰に使い続けることで、頭痛の頻度・重症度・持続時間が増加し、慢性的に頭痛を起こすようになった状態のことです。


国際頭痛学会の診断基準では、

月に15日以上の頭痛が3ヶ月以上続き、その間に鎮痛薬を定期的に使用し続けている状態がMOHと定義されています。「乱用」の目安は、市販の複合鎮痛薬やNSAIDs(ロキソニン・イブプロフェンなど)で月10日以上、トリプタン系薬剤でも月10日以上です。


「月10日」というのは、3日に1回程度のペースです。

思っているより、すぐに達してしまう頻度です。


どれくらいの人がMOHになっているか

ヨーロッパで行われた大規模調査(49研究・20万5,000人のデータ)によれば、一般人口あたりのMOH有病率は1〜2%とされています。頭痛専門外来においては、受診患者の5〜10%近くがMOHに該当するという報告もあります。


決して珍しい疾患ではありません。

むしろ「頭痛もちの人」の多くが、気づかないまま当てはまっている可能性があります。


頭痛薬を飲むほど悪化する薬物乱用頭痛の悪循環を示す図。頭痛、鎮痛薬、効き目切れ、頻回服用が6段階で循環。

なぜ薬を飲むほど頭痛が増えるのか

直感に反する話です。痛みを和らげるために飲んでいる薬が、

なぜ頭痛を悪化させるのか。


脳が「痛みに敏感な状態」に変化する

鎮痛薬を繰り返し使うと、脳の痛みを処理するシステムが変化します。


大脳皮質・前頭前部・辺縁系に異常が生じ、

痛みの抑制機能が低下することが研究で報告されています。


また、受容体の発現や機能発現機構の変調がMOH発症に関与していることも明らかになってきています(日本内科学会雑誌 第112巻)。


分かりやすく言うと、

薬を頻繁に使うことで脳が「痛みを感じやすい状態」に慣れてしまう。


薬の効果が切れると反跳的に頭痛が起きやすくなり、

それがまた薬を飲むきっかけになる。


この悪循環が慢性頭痛を作り出していきます。


「頭痛が増えたから薬を飲む」のか「薬を飲むから頭痛が増える」のか

ここが本質的な問いです。


頭痛が増えたから薬の使用頻度が増える、これは自然な流れに見えます。


でもMOHの観点から見ると、薬の使用頻度が増えるから頭痛が増えているという、

因果関係が逆転している可能性があります。


自分では「頭痛が増えたせいで薬が手放せなくなった」と感じていても、

実際には「薬が手放せなくなったから頭痛が増えた」という状態になっていることが少なくないのです。


自分がMOHかどうかを確認する目安

以下に複数当てはまる方は、MOHを疑う余地があります。


  • 以前より頭痛の頻度が増えてきた

  • 市販の頭痛薬・鎮痛薬を月10日以上使っている

  • 朝起きたときからすでに頭が重い・痛いことが多い

  • 薬を飲むタイミングが早くなった(痛くなる前から飲むようになった)

  • 薬の効き目が以前より弱くなった気がする

  • 頭痛がない日がほとんどなくなった


これらはあくまで目安です。確認・診断は必ず医療機関で受けてください。


薬物乱用頭痛(MOH)セルフチェックの日本語ポスター。頭痛頻度増加や鎮痛薬の多用などのチェック項目と、3つ以上で受診を促す赤い警告欄。

薬をやめれば治るのか

MOHの基本的な治療は、原因となっている薬の中止です。


薬物離脱後2ヶ月以内に頭痛が消失または以前のパターンに戻ることが、

診断基準にも含まれています。


ただし、薬をやめると一時的に頭痛が悪化することがあります。


これは「離脱頭痛」と呼ばれるもので、

脳が薬なしで痛みを処理する状態に戻ろうとするときに起きます。


また、薬物中止後も20〜40%で再発するという報告があり、

自己判断での薬の中止は危険を伴うこともあるため、

必ず医師の指導のもとで進めることが大切です。


当院でのアプローチ(院長所感)

慢性的な頭痛で来院される方の問診を丁寧に行うと、

市販の鎮痛薬を週に2〜3回以上飲んでいる方が非常に多くいらっしゃいます

(※個人の感想であり、効果には個人差があります)。


そういった方に「MOH」という概念をお伝えすると、

「そういえば薬を飲み始めてから頭痛が増えた気がする」

と気づかれる方が少なくありません。


鍼灸アプローチ

MOHの治療や予防において、

薬に頼らない非薬物療法の選択肢を持つことは重要です。


鍼灸は薬物を使わずに首・後頭部の緊張を緩め、自律神経のバランスを整えることで、頭痛の頻度を減らすアプローチができます。


「薬を減らしたいけど、頭痛が怖くて減らせない」という方には、

施術でその不安を少しずつ取り除きながら、

薬への依存を減らしていく道筋を一緒に考えることができます。


整体アプローチ

慢性頭痛の多くは首・後頭下筋群の慢性的な緊張が関与しています。


頸椎のアライメントを整え、後頭下筋群の緊張を直接緩めることで、

頭痛の引き金となる物理的な要因を取り除いていきます。


いずれのアプローチも、医師との連携を前提としています。

「薬を中止する」「減らす」という判断は必ず医師に相談してください。


まとめ

頭痛薬は正しく使えば非常に有効な手段です。


でも「痛いから飲む」を繰り返しているうちに、

いつの間にか薬が頭痛を作り出す側に回ってしまうことがある。


慢性的な頭痛に悩んでいる方は、

一度「自分は月に何日鎮痛薬を飲んでいるか」を数えてみてください。


それだけで、今起きていることの見え方が変わるかもしれません。

慢性的な頭痛でお困りの方は、まずお気軽にご相談ください。


▼ ご予約・無料相談はこちら

👉【公式LINE|院長が直接お答えします】https://lin.ee/9tNjzjE

📞 お電話でのご予約:06-6195-7702

【酒井鍼灸整体院】院長:酒井晃樹住所:大阪府淀川区塚本2-2-23 シャンティー塚本1F(JR塚本駅 徒歩7分)

bottom of page