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O脚・筋力低下による膝の痛みの原因とセルフケア【膝の痛み特集②】

  • 執筆者の写真: SAKAI KOHKI
    SAKAI KOHKI
  • 1 日前
  • 読了時間: 5分

前回の記事では、


膝の痛みが

「変形性膝関節症」

「外傷性」

「使いすぎ・アライメント不良」

の3つに分類されること、

そして病院で軽度の変化・異常なしと言われる方の多くが、O脚や筋力低下によって膝に負担が集中しているタイプに当てはまることをお伝えしました。


今回は、

このO脚・筋力低下による膝の痛みがなぜ起こるのかをもう少し深掘りしたうえで、

自宅でできる安全なセルフケアと、逆にやってはいけないNG動作についてお話しします。


🦵 O脚がなぜ膝の内側に負担を集中させるのか


体重を支える力は、

股関節の中心と足首の中心を結ぶ一本の軸(荷重線)に沿って伝わっています。


正常な脚のラインでは、この軸がちょうど膝の中心を通るため、

体重は関節全体にバランスよく分散されます。


ところがO脚(内反変形)になると、

この荷重線が膝の中心よりも内側を通るようになります。

正常とO脚の脚の比較図。青は荷重線が中央、橙は荷重線が内側へ寄り、膝内側の軟骨・半月板に負担集中を示す。

すると、立っている・歩いているだけで、

体重のほとんどが膝関節の内側だけに集中してかかり続けることになります。


特に日本人はもともとO脚の傾向が強く、

膝の内側の軟骨や半月板が慢性的に高い負担を受けやすい体型的特徴があるといわれています。


🔍 O脚と筋力低下の悪循環


O脚そのものに加えて、

太もも前面の筋肉(大腿四頭筋)やお尻の外側の筋肉(中殿筋)、

太もも内側の筋肉(内転筋群)の筋力低下が重なると、状況はさらに悪化します。


大腿四頭筋は、

歩行や階段の上り下りで膝にかかる衝撃を吸収するクッションの役割を担っています。


この筋力が落ちると、

衝撃が直接軟骨や靭帯に伝わりやすくなります。


また、お尻の外側の中殿筋が弱いと、

歩くたびに膝が内側や外側にぶれてしまい、

それがさらに膝への負担を増やすという悪循環に陥ります。

O脚と筋力低下の悪循環を説明する図。膝の痛み、太腿四頭筋・中殿筋・内転筋群の図と矢印、弱いと負担増の文字。

つまり「O脚だから膝が痛い」というよりも、

「O脚によって偏った負担がかかっているところに、支える筋力まで落ちている」ことで、痛みが慢性化しやすくなっている、と捉える方が実態に近いといえます。


⚠️ 実はやってはいけないNGトレーニング


「膝を鍛えなきゃ」と、痛みがあるのに深くしゃがみ込むスクワットや、階段の昇降トレーニングをいきなり始めてしまう方がいますが、これは注意が必要です。


膝を深く曲げる動作や、体重をしっかり乗せた状態でのトレーニングは、

関節そのものに大きな負荷をかけてしまい、痛みを悪化させることがあります。


特に炎症が残っている時期に、

膝を大きく曲げ伸ばしする運動や、勢いをつけた動きを行うのは避けましょう。


大切なのは「膝を大きく動かさずに、支える筋肉だけを働かせる」ことです。


💡 自宅でできる安全なセルフケア


痛みが強い時期でも取り組みやすい、

膝への負担が少ないトレーニングを3つご紹介します。

うつ伏せや横向きで女性が大腿四頭筋・下肢・体側を鍛える3種の体操解説図。タオルつぶし、SLR、サイドレッグレイズの手順と回数が日本語で記載。

①タオルつぶし(大腿四頭筋セット)

仰向けに寝て、膝の下に丸めたタオルを入れます。膝を曲げ伸ばしせず、そのタオルを膝裏で押しつぶすように力を入れ、5〜10秒キープしてゆっくり力を抜きます。10回×2〜3セットが目安です。膝を動かさずに大腿四頭筋だけを働かせられるのが特徴です。


②SLR(下肢挙上運動)

仰向けに寝て片方の膝を軽く立て、もう片方の脚をまっすぐ伸ばしたまま床から10〜15cm持ち上げます。つま先を天井に向けるように足首を曲げると、大腿四頭筋によく効きます。


③サイドレッグレイズ(中殿筋トレーニング)

体の側面を下にして横向きに寝て、下の脚は軽く曲げ、上の脚はまっすぐ伸ばします。おへそを正面に向けたまま、上の脚をゆっくり天井方向へ持ち上げ、お尻の外側に効いているのを感じたらゆっくり下ろします。左右10〜15回ずつが目安です。


複数の研究では、8〜12週間程度こうした筋力トレーニングを継続することで、膝の痛みの自覚スコアが有意に改善したことが報告されています。いずれも「痛みが強くなる場合はすぐ中止する」を大前提に、無理のない範囲で行ってください。


🎯 セルフケアだけでは変わりにくい場合


タオルつぶしやSLRは、

あくまで日常的な予防・軽減のためのセルフケアです。


一方で、すでにO脚のクセが体に染みついていたり、

股関節・足首まで含めた全身のバランスが崩れていたりする場合は、

セルフケアだけでは根本的な改善が難しいこともあります。


当院では、

膝の痛みに対して整体を中心とした施術を行っています。

まず膝の「どこで」「なぜ」負担が集中しているのかを局所でしっかり確認し、

つらい痛みをできるだけ早く取り除きます。


そのうえで、O脚のクセや筋力バランスの乱れといった、

痛みが繰り返される根本の原因にアプローチし、再発しにくい膝を作っていくところまでを一連の施術として行っています。


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▼膝の痛みの原因と種類についての前回記事はこちら


参考文献

・日本整形外科学会「変形性膝関節症診療ガイドライン2023」(O脚アライメントと大腿脛骨角の関係、筋力増強運動の推奨グレードA・エビデンスレベル1を明記)

・鬼頭伸和ほか「変形性膝関節症理学療法診療ガイドライン第1版」理学療法学 第43巻第2号(J-STAGE)

・埼玉県立大学 金村尚彦教授 講演資料(2025年開学25周年記念シンポジウム)


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